発電所の一義的な目的は、「できるだけ多くの収益を上げること」ですから、もしも発電所が壊れないならば、O&Mには1円も掛けないのが正解です。
でも、残念ながら壊れない発電所はありません。
太陽光発電所が壊れる以上、その予防や壊れた時にできるだけ素早く直すためのO&Mは必要経費となります。トラブルをそのままにしておけば、収益の大幅減は火を見るよりも明らかですから。
そう考えるとO&Mの適正価格は、
「発電所の収益減少を防ぐための最低限の費用」と言い換えられます。
ならば安ければ安いほど良いのでしょうか?
昨日書いたステーキを例に出してみましょう。ミキスケのステーキに多くのお客さんが並ぶのはなぜでしょうか?
とんでもなくうまいのにリーズナブルだからですよね。
どんなに安くても不味ければ並びません。
O&Mも同じです。
「うまいのにリーズナブル」が大事です。
単に安いだけというO&Mでは目的を果たせません。
O&Mの目的、つまり、発電所の収益減少を防ぐことができないならば、どんなに安くても存在価値はゼロ。
実効性のあるO&Mを行うには、専門的な知識を持った技術者が当たらなければ、なかなかうまく行きません。
そして専門的な技術者が動けば、やはりある程度のコストは掛かります。
当然、コストを下げる努力は常に続けなければいけませんが、コストを下げすぎて存在価値がないO&Mをするようになってしまっては本末転倒です。「安いけど不味い」は望まれていません。
やはり「うまいのにリーズナブル」が大事です。
でも、ステーキなら食べればうまいか不味いか、すぐに分かりますが、O&Mがうまいか不味いかの判断は、なかなか難しいのも事実。O&Mの何たるかが、まだ知られていないですからね。
つづく
2017/12/12 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之