2018年は、太陽光発電のO&M(オペレーション&メンテナンス)ビジネスをしっかり確立させる時代となります。
昨年4月の改正FIT法施行により、適切なO&M実施が義務化され、発電事業者の意識が大きく変わり始めました。
また、設置後、2~3年経つ太陽光発電所が多く、さまざまなトラブルが顕現化し始めています。
特に、設計・施工ミスを抱えた発電所が台風や大雨などの自然災害により、大規模なパネルの飛散や土砂流出など深刻なトラブルを引き起こしています。
それら大掛かりな改修工事の場合、造成や建設のノウハウはもちろんですが、原資を確保するために保険や金融の知識も求められます。
そこまで深刻なトラブルではないとしても、発電所の運用、管理にはさまざまなノウハウが必要となることが分かってきました。
電気的な点検、雑草対策、パネル洗浄、動物や昆虫対策、自然災害対策(雷害、風害、水害など)、軟弱地盤の対策、サビ対策、影対策、熱対策、障害時の対策、遠隔監視を活用した日常管理の手法、等々、太陽光発電所を20年間しっかり発電させるためには、さまざまなノウハウが必要です。
それぞれ専門性が強く、特定の個社のみですべてをカバーすることは難しく、今後は要素技術を保有する企業や団体がコラボレーションしながら、全体として適切なO&Mを提供できるような体制作りが望まれています。
国としても太陽光発電の基幹電源化を目指し、適切なO&Mの実施をこれまで以上に要求してくることは必至です。
国からの規制強化を待つのではなく、自主的にそれに応えられる体制構築に着手するべきタイミングでしょう。
要素技術を保有する企業同士がコラボレーションし基幹電源たる太陽光発電をしっかり支えることで、O&Mが新しい業界として確立されます。
将来の子供たち世代に安全で安心、かつ、無尽蔵で低コストなエネルギーを贈り物とするために、微力ながらO&M業界の発展に貢献して参ります。
皆さまのご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。
2018/1/2 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之