自分の考えと違う相手を悪しざまに非難することは何の解決にも繋がりません。
怒鳴り散らしたらその瞬間気持ちいいでしょうが、非難された側は決して納得も屈服もしません。
心の底では「いつか必ずこいつを酷い目に合わせてやる」と誓います。
もはや理性的な判断はなく、感情と感情のとめどないバトルに陥り、お互いに疲弊するだけです。
他人の悪口を言って良い結果を生むことは何一つありません。
陰で言っても必ず本人の耳に入っています。
みんな大人なので表面上は知らん顔してますが、本当は全部知っていて、
「こいつ信用できないな」とか「こいつとは仕事しない」と本心では嫌っています。
再エネを主力電源とする世界に作り変えるには、電力会社(を含む旧体制)の協力が絶対に必要です。
正義を振り回して怒鳴り散らしたり、理屈で押さえ込もうとすれば反発されるだけでしょう。
デール・カーネギーの著書に繰り返し出てくる教訓があります。
「ビジネスというものは最終的には、自分の気に入った相手と行うもの」
「人にあなたの考えを受け入れてもらいたいと思うなら、まずあなたが相手の親友であるということを、その人に納得してもらうこと」
「どんなに人が間違っていると思えても、人を悪しざまに非難してはならない。人を非難する前に、まず自分自身を正すこと」
「自分がいかに素晴らしいかということを語ることをやめて、相手の良い点を心から誉めたたえること」
「自らの意思に反して納得させられた人の意見は変わっていない」
「人に好かれたければ、不機嫌な性格を改め、常に笑顔を心がける」
電力会社が再エネを敬遠するのは、系統安定化を最重視しているからで、これはこれで国のために責任を取ろうとする立派な態度です。
系統安定化を達成しつつ再エネも増やすために、再エネの側でもやるべきことはたくさん残っています。それを見て見ぬふりしながら、相手側ばかりに不満をぶつけるようなやり方は、結果としてエネルギー革命の足を引っ張ってしまうでしょう。
ついつい、自分は正しい、相手は間違ってる、だから相手が謝るべきだ、と自分の小理屈を押し通そうとしがちですが、エネルギー革命という大義を成し遂げるには、相手も巻き込んで一緒になってやらなければ実現しません。
どちらも日本という小さな船に乗ってる、ということを忘れずに、つまらないいがみ合いはしないように進めていきたいものですね。
2018/2/12 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之