太陽光発電所のO&Mには遠隔監視システムは必須ですから、それをコストゼロで使えるのは発電事業者にとってありがたいサービスなのは確かです。
でもやっぱりオマケはオマケでしかありませんでした。
某社パワコン付属の遠隔監視システムは、パワコン単位でデータを取得できるのですが、クラウド上では見たい画面が用意されていません。
見たい画面とは、『パワコンごとの発電量の折れ線グラフを重ねて表示したグラフ』です。
折れ線グラフで重ねて表示すれば、パワコンごとの発電量のバラツキが一目瞭然です。
バラツキがあれば、なんらか不具合を起こしている可能性がある、ということです。
(それぞれのパネル枚数が同じであればパワコンごとの発電量に違いは出ないはず)
その遠隔監視システムでは、パワコンごとの生データ(発電量の数値)は表示されるのですが、数値の羅列を見て判断するのは無理です。
グラフで表示してくれれば良いのに、と思います(笑)。
でも、できないのですから仕方ありません。次善の策としてデータをCSVで吐き出してエクセルに取り込んで加工する、という方法があります。
(まれにデータを吐き出せない遠隔監視もありますが、なんでそんな仕様にするかホント謎です。)
今回の遠隔監視はCSVで吐き出せるので、まあ一手間多くなりますが大丈夫、と思っていたら!
驚きました。なんと日本語表記が文字化けしていました(笑)。
いくらなんでも、今時そんな問題が放置されているなんて…
さらに驚いたのは、データの並びもずれている!ことです。
パワコンごとに時間単位で発電量が並んでいるはずなのに、ひとつのパワコンのデータだけがあっちの方向にずれてます。
このままではデータを解析できませんので、手動で並び位置を直してからグラフを作ることになります。あり得ません。
この件、パワコンメーカーのサポートに連絡して、どう考えても初歩的なバグなので直して欲しい、と要望したところ、なんやかや説明しつつ結局直せません、という結論でした。
まあ、タダで提供していれば開発費やバージョンアップの費用もケチって当たり前なんでしょう。
それでも遠隔監視がないよりはマシですから、オマケはオマケ、と割り切って使うしかありません(汗)。
でも遠隔監視データを見るのに慣れていない方は、とても混乱するでしょうし、その結果、「やっぱりよく分からないから、もう見ない!」となってしまう気がします。
その点、有料の遠隔監視システムは、やはり見やすさやデータの加工などで優れている場合が多いですね。
(有料でもダメダメなものもありますので、きちんと選ぶことが大切ですが)
2017/12/15 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之