まず、太陽光発電所運営のバイブルである『事業計画策定ガイドライン』に雪害対策が書いてないか調べてみました。
(※『事業計画策定ガイドライン』は、意識していない方も多いかもしれませんが、固定価格買取制度で売電している以上は遵守しなければならない決まりです。遵守しないと認定取消しという懲罰もありますので、発電事業をしている以上はしっかり読み込む必要があります。)
ガイドラインには、水害対策と震災対策はありましたが、雪害対策は残念ながら記述されていませんでした。
・太陽光発電設備が水害によって被害を受けた場合の対処方法について(2015年JPEA)
・震災によって被害を受けた場合の太陽光発電システム取り扱い上の留意点(2016年JPEA)
これらを参考に雪害対策を考えてみましょう。
まず、雪害の場合、発電所はどうなるでしょう?
「パネル上に雪が積もり架台が倒壊する」ことが想定されますが、崩れた後も雪に埋もれていればそれほど心配はありません。
太陽光発電所が怖いのは、日射がある限り勝手に発電し続け感電する危険性があること、です。
太陽光パネルは1枚あたりの電圧は30V~40Vぐらい、直列に10枚繋いだストリングでは300V~400Vに、20枚なら600V~800Vになります。
「50V程度でも感電死する」と言われていますので、300Vや800Vがどれだけ危険か分かりますね。
雪に埋もれて日射がパネルに届かず発電していなければ良いですが、雪はそのうち溶けます。
溶けた時にパネルが発電を再開し、どこかが断線していれば感電の危険性は十分あります。
さらに溶けた雪が水になり、水たまりができる可能性もあります。水は電気を通しますので、断線した部分が水に触れていれば、水たまりに入っただけで感電するかもしれません。
雪で倒壊した発電所にはみだりに近づいたりせず、やはりプロに任せた方が良いでしょう。
2018/2/10 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之