4000枚のモジュールを1枚ずつ点検していてはいくら時間があっても足りません。
まずは「ソコデス」でストリングごとに異常がないか検査し、異常が出たストリングだけを、もっと詳しく検査します。
通常「ソコデス」では、ストリングの何枚目のモジュールが異常か、まで特定できるのですが、今回は少し問題があり手こずりました。
下の写真のように余ったケーブルが巻いてあると、異常モジュールの位置がずれて特定されることがあります。ケーブルが一種のコイル状態になり、「ソコデス」による測定の精度を下げてしまいます。
今回は「ソコデス」でおよその範囲まで絞った後、サーモグラフィカメラにて詳細にチェックしました。(通常もサーモグラフィカメラを併用しますが、「ソコデス」でピンポイントに異常モジュールを特定できるため、あまり広範囲にサーモグラフィカメラでチェックすることはありません。)
すると、下の写真のように端子箱内のバイパスダイオードが発熱しているモジュールを発見しました。
バイパスダイオードが作動して発熱しているということは、該当のクラスタが断線している可能性が高いと判断して、モジュールを外して単体で「ソコデス」で測定しました。
すると抵抗値が1000Ωを超えており、これにより当該モジュールを異常と断定しました。
今回点検した1MWの太陽光発電所の約4000枚のモジュールの中から、上記の方法で、2枚の異常モジュールを発見できました。
ちなみに、太陽電池モジュールは一度悪化し始めると自然に治ることはなく、悪化の一途をたどります。
最悪の場合、発火して火災を招く事例も実際にありますので、異常モジュールを早期発見して交換することは、太陽光発電所全体の価値をゼロにしてしまわないために、とても重要な事と考えております。