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太陽光発電O&Mブログ

見逃されたモジュールの“焦げ”

太陽光発電所を点検していると、太陽電池モジュールの不具合に数多く遭遇します。
ただし、見た目には同じような不具合だとしても、原因やそこに至る経過はさまざまです。そのため、一つの点検方法で、すべての不具合を発見できると考えるのは早計に過ぎます。
今回は、特定の点検手法に対する過信が、いかに危険であるかを示すトラブル事例をご紹介します。

バックシートが焦げてしまったモジュール

太陽光発電の点検について、「これさえ使っていればモジュールの不具合は全部発見できる!」と、特定のやり方を過信している向きもありますが、実際のところ、そこまで万能な点検方法は、まだ存在しません。コスト面も含めてどれも一長一短で、適材適所で使い分けることが大切です。

上の画像は、バックシートが焦げてしまった太陽電池モジュールです。
モジュール検査装置『SOKODES』は、故障を容易に検出する能力を持つ専門機器ですが、SOKODESでの計測では『NG』判定されず、この不具合を見逃してしまいました。
その後、サーモカメラを使ってホットスポットを検知できましたが、バックシートが焦げるほどの異常発熱を、なぜSOKODESは発見できなかったのでしょうか?

モジュールの焦げ_2

                サーモカメラが検知したホットスポット (資料提供 野原産業株式会社)

SOKODESの名誉のために急いで付け加えますが、この事例は、IVカーブトレーサーで測っても見つけられなかったでしょう。

なぜなら、「バックシートは焦げていたが、発電量はほとんど落ちていない」状態だったからです。
SOKODESが測定しているのは”モジュールの抵抗値”です。
「メーカーの無償交換対象になるほどに発電量が落ちているならば、抵抗値は高くて当然」「ある程度以上、抵抗値が高くなったらNG」という判定をしています。
つまり、今回のケースでは発電量はほとんど落ちておらず、モジュールの抵抗値もさほど上がっていなかったため、SOKODESは『NGではない』と判定してしまったのです。

注意していただきたいのは、「バックシートの焦げは、SOKODESやIVカーブトレーサーでは見つけられない」ということではなく、「発電量の低下を伴わないバックシートの焦げは、これらの測定機器では見つけられない」ということの違いです。
結果として“バックシートの焼け焦げ”という問題が発生していても、原因の違いによって、不具合に至る途中で発電量が落ちることもあれば落ちないケースもあるのです。
(ただし、原因がなんであれ、症状が進めば、最終的には発電量は低下します。)

「発電量が落ちていなければ放置でも良い」という考え方もありますが、安全性の面からは、バックシートが焦げるほど発熱していれば速やかに交換するべきでしょう。
“モジュールの焼け焦げ”を見つける手段としては、
・目視で点検する
・サーモカメラで点検する
・EL検査をする
・ドローンを活用したサーモ点検をする
などが挙げられますが、モジュール枚数が非常に多い場合、コスト面を考慮すれば、ドローンを使った方法が最も有力なオプションではないでしょうか。
ただし、他の点検手段同様、ドローンを使ったサーモ点検も万能ではない、という点は重々ご承知おきください。

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