先日、あるO&M業者の低圧発電所向けの点検内容を見せてもらいました。
・毎月1回発電所に行き、目視点検を実施
・その点検結果を写真付き報告書として提出
・太陽光パネルの電気的点検は、開放電圧のみを測る
という感じでした。費用は月額1万円を切るぐらい。
最大のポイントは、この金額で毎月1回発電所に行く、というところです。
でも、EV社の点検では、そこまで多頻度には行きません。
行って悪いわけではありませんが、あまり意味がないと判断しているからです。
(コストが掛かる割には不具合発見に役立たない)
分かりやすく人間の健康診断に例えてみましょう。
一般的な健康診断の内容として、以下のような項目があります。
・身体計測
・診察・問診
・血圧測定
・尿検査
・心電図
・血液検査
・眼底検査
・胃バリウム検査
・胸部X線撮影
太陽光発電所の目視点検は、「身体計測」や「診察・問診」に該当します。
「血圧測定」や「尿検査」~「胸部X線撮影」などは、より専門的な点検、つまり太陽光パネルの電気的点検(専門の点検機器を使用)や遠隔監視データの解析などが該当します。
もし健康診断で「身体計測」と「診察・問診」ばかり頻繁にやって、他の専門的な検査を全然やらないとしたらどう思います?
とてもバランスが悪く病気の予兆を見つけられる気がしません。
目視点検ばかり毎月やる、というのは、つまりそういうことです。
パネルの開放電圧を測っているとは言え、それだけで専門的な点検と言うにはあまりにも物足りません。不具合を見逃す確率が高いと言えます。
(だからこそ、パネルの不具合を探す専門的な点検機器(しかも高額!)の存在意義があります)
まあ、やらないよりは良いですし、写真付き報告書をきちんと提出するだけでもマシではありますが、発電所に行く頻度さえ多ければ良い、というものではないという点はご理解いただきたいと思っております。
2017/11/17 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之