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太陽光発電O&Mブログ

太陽光発電所の点検5

太陽光発電所の発電量が低い原因は何か?
いろいろ説明を加えて5回までなってしまいましたが、ついに完結編です(笑)。

(第1回から読む)

7台のパワコンの内2台が顕著に発電量が低い原因として、以下を想定しました。

1.実は、パネルの枚数が少ない
2.ストリングが断線している
3.パネルが故障している
4.パネルが汚れている
5.パネルに影が掛かる
6.パワコンが故障している
7.遠隔監視システムが故障している
8.系統側の問題(出力抑制)

これに対して、現場で実際に点検した結果です。

1.は原因ではない
現場で目視確認したところパネル枚数に異常はない。

2.も原因ではない
ストリングごとに電気的計測をして断線していないことを確認。開放電圧も差異がほとんどない。

3.も原因ではない
ストリングごとの電気的計測でパネルが故障していないことを確認。

4.は原因のひとつかもしれない
目視でパネルの汚れが目立つ。一部分のみ洗浄前と洗浄後で電気的計測を実施したところ、有意な差がありそう。どのぐらい影響があるか、具体的な判定をしている最中。

5.が主な原因である
発電量が低いパワコンに入力しているストリングに、がっつりと影が掛かっている。

電柱の影ががっつりと入っており、このストリングが入力しているパワコンの発電量が低い

電柱の影ががっつりと入っており、このストリングが入力しているパワコンの発電量が低い

6.は原因ではない
パワコンの表示で、どれもエラーが出ていないことを確認。

7.は原因ではない
遠隔監視のデータと現場のパワコン表示の発電量を比較しても異常がない。

8.も原因ではない
遠隔監視のデータから出力抑制の傾向が見られない。

実は発電所を見た途端に「影だな」とは思っていました。
ですが、それだけで結論付けるのは乱暴です。他にも原因があって複合的な問題かもしれません。

遠隔監視データの解析に加えて、専用の点検機器を使ってしっかり調べることで原因ではないことを除外していくことができ、それにより本当の原因を浮き彫りにできます。

今回は、影が大きな影響を与えていて、さらにパネルの汚れも若干の影響がありそう、という結論になりました。

電柱など動かしようがない影は、その発電所の個性として受け入れるか、オプティマイザーなどの追加投資で影対策をするか、検討の余地はあります。

そして雑草など取り除ける影は、定期的に取り除くようにしたいところ。

また汚れに関しては、汚れによるロス率とパネル洗浄の費用を比較して考えるようにします。

いずれにしろ、電気的な故障ではない、ということが明確になっただけでも、今後の運用管理がしやすくなるというメリットがあります。

2017/12/25 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之

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