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太陽光発電O&Mブログ

マイクロクラックを低コストに発見する方法

太陽光パネルのマイクロクラックを探すには、EL撮影をしないと発見できません。
でもEL撮影は専門のかなり高額な設備が必要です。
もっと簡単にマイクロクラックを発見する方法はないのでしょうか?

実は新しい点検機器があります。
電子工学センターが発売した『ソクラテスター』という検査機器で、これなら簡単に発見できます。

年末に電子工学センターの方が来られて、ソクラテスターの原理についてご説明いただきました。
(詳細についてはHPをご覧ください。)

ソクラテスターの売りは連携していてもしてなくてもマイクロクラックを発見できることです。しかもパネルに電流を流す必要がありません。

マイクロクラックを発見すると、ブザー音とLED点灯で知らせます。
難を言うと、現場で見ていれば分かりますが、報告書に落とし込むことが難しいという点です。

点検結果として発電事業者に提出するものは報告書しかありません。その報告書に記載できないようでは、点検していないのと同じです。
(余談ですが、O&M業者の中には報告書をきちんと提出しないところが少なくありません。なぜ報告書を出せないのでしょうか?点検機器は使ったものの報告書にまとめるだけの知見がないのでしょうか?、それとも、本当は点検していないのかもしれませんね。)

とはいえ、EL検査よりもお手軽にマイクロクラックを見つけられるという点はメリットです。

EL検査はパネルメーカーが出荷前に使用しているものでもあり、より精密な検査として今後も必要性は変わらないでしょうが、太陽光発電所に設置済みのパネルをお手軽にチェックする方法がある、ということで点検の幅が広がる可能性があります。

マイクロクラックが成長すると目に見えるスネールトレールになる

マイクロクラックが成長すると目に見えるスネールトレールになる

ただし、マイクロクラックに関しては、あまり神経質になりすぎるのも良くありません
マイクロクラックが入っていたからといって、即座に、発電量が減少したり、ホットスポットができてパネルが発火したり、という訳ではありません。

マイクロクラックがあっても、しばらくはなんの影響もないかもしれません。
実際、マイクロクラックだけではパネルメーカーは故障とは認めません。発電量の減少を伴わなければ交換もしません

でも、何年か後にはマイクロクラックが成長して発電量を落としたり、ホットスポットを作ったりします。それが何年後かは分かりません(5年後程度では、と言われています)。

予防保守という面から、マイクロクラックの発生を把握しておくことは望ましいことと言えます。
従来のEL検査はコストが高すぎて適用範囲が狭かったのが、コストが下がることで予防保守にも適用できるかもしれません。

また、リユースパネルの価値を評価するためには、マイクロクラック診断はぜひともやるべきことでしょう。

このように新しい点検機器が、今後も様々なメーカーから提案されるでしょうが、それをどうO&Mに組み込むのか?、または組み込まないのか?、O&M業者の腕の見せ所と言えますね(笑)。

O&Mはこれからが本番です。

追伸 明けましておめでとうございます!本年もよろしくお願い致します。

2018/1/1 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之

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