2017年10月20日発刊と新しいため、最新の知見が盛り込まれています。
動きが早い業界だけに陳腐化した情報は役に立ちませんが、この本はまさにタイムリーです。
ベースとなったのは環境ビジネスオンラインの連載で、2014年4月から2017年4月までの記事から抜粋、リライト、再構成して書籍化したものです。
安田先生はFIT以前から風力発電事業に携わっていて、風力発電業界が直面したさまざまな課題とその解決方法を研究しています。
この本は、「再生可能エネルギーによる発電事業(風力の経験がベースですが太陽光発電も含めて)を継続させる」ために必要なことをまとめてあります。
キーワードを抜粋すると、
「再エネ発電ビジネスは一にも二にもメンテナンスが大事」
「メンテナンスにあまり気を配らない事業者が続々と参入してしまったとしたら、それは2000年代初頭の風車の苦い経験の二の舞い」
「発電事業は、メンテナンスにかける人や金をケチってほったらかしのまま資金回収ができるまで無事故でいられるほど甘くはありません」
「発電事業≒製造業→品質保持活動が大事→メンテナンスが命!」
「最終的にはメンテナンス事業者と発電事業者がどれだけ信頼ある関係を構築できるかが鍵」
まだ黎明期である太陽光発電のO&M業界にとって、今後の進むべき方向を指し示す良書だと思います。
O&M業者はもちろん、発電事業者にも、ぜひとも読んでいただきたい本です。
2018/1/10 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之