今回は電線の取り回しについて。
一般の方はご存じないでしょうが、電気工事のやり方は細かいところまで規定されています。
いい加減な工事をすると、電気は大変危険だからです。
一説によると42Vを「死にボルト」と言って、それ以上になると感電死する危険があるとか。(本来は電圧と電流と両方関係しますので、電圧だけでは決まりませんが。)
ただし、電気工事士法や電気事業法、電気用品安全法や内線規程など、さまざまな規制を設けることで、今や電気を安全に使いこなせる体制は整っています。
内線規定は、電気工事の設計、施工等の基準として大正13年に初版が発行されて以来、内容をブラッシュアップしながら使い続けられています。
電気を使い始めてから100年以上の歴史と蓄積が、電気を安全に使える体制として結実しているのです。
そうにも関わらず上の写真は、100年の蓄積を無視して(知らずに?)配線してしまった例です。
電線は曲げても良い角度が決まっています。無理に曲げると断線する可能性が高まるからです。
また引張り強度も同様に規定されています。
上記写真の電線は、曲げすぎ、引っ張りすぎです。すぐに断線する訳ではありませんが、遠からず断線するでしょう。
知らずにやってるとすれば、知識習得の手抜き、と言えます。
このような“神が宿らない”発電所が、20年ノーメンテナンスで故障しないと思いますか?
すぐに直すというよりも、まずは発電所がどれだけのリスクを抱えているか、事前に把握しておいた方が安心できます。
2018/2/21 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之