●「点検をしていれば遠隔監視は不要」への反論
→多頻度に点検したとしても、毎日発電状況を確認するのは不可能
→点検では、毎時の発電量を詳細に記録として残すことは不可能
不具合が発生しないならば遠隔監視のデータは不要ですが、不具合が発生した場合には、それがなければスムーズな復旧は困難です。
例えば障害が発生した場合、いつから、どの部位に、どんな問題が発生しているのか?を把握するには、遠隔監視データ以外にはありません。
それら情報がなければ障害対応の手間が大幅に増え費用も上がります。
さらに修繕後に、本当に問題が解決したのか?は、しばらく発電量を観測してみなければ分かりません。
毎日、毎時の詳細な発電データを見なければ、障害対応が正しかったのか、それともまだ別の問題を抱えているのか、判断することすらできません。
太陽光発電所は必ず不具合が発生します(火力発電所でも原子力発電所でも同様、不具合が発生しない発電所など世の中にありません)から、遠隔監視は適切な運用には必須という訳です。
●「遠隔監視があれば点検は不要」への反論
→遠隔監視では、ボルトの緩み、架台やフェンスの破損、土砂流出などは把握できない
→影の影響なども現場で確認することが必要
太陽光発電所が流れる、崩れる、飛ぶ、燃えるなどの特に危険なトラブルについては、遠隔監視では事前の予兆を発見できません。
大事が起きる前に、小さな不具合を見つけることで致命的なトラブルを回避するのが点検の役割ですが、遠隔監視では大事が起こった後に発電量が大幅に減少した時点でしか分かりません。
点検と遠隔監視は役割が違います。
どちらも適切なO&Mには欠かせないものと言えます。
2018/2/28 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之