経産省資源エネルギー庁主催による改正FIT法説明会の模様
今回のFIT法改正の意図を簡単にまとめると、「これまでは再生可能エネルギーを増やすための仕組みだったが、これからは長期間、安定的に稼働させるための仕組みに変える」ということです。
新設/既設のいずれの産業用太陽光発電所も対象となり、場合によっては『認定取り消し』という厳罰も規定されているので、十分な理解と対策が必要となります。
稼働済み案件については、「O&Mが必須」となりますので、その準備を進めておかなければなりません。
O&M関連で特に注意すべき点を以下に挙げます。
●地域との共生、安全性の確保
改正によって、他法令違反時に改善命令/認定取り消しができるようになるため、建築基準法・電気事業法・国土利用計画法・都市計画法などを遵守し、もし違反状態にあるようなら、是正しなければなりません。
地域住民からの違反懸念事例の通報を受け付ける窓口も設置されるため、しらばくれたり、とぼけたりといった対応は不可能となります。
具体的には、
・のり面の崩落 ・土砂流出 ・パネル飛散 ・架台破損
といった懸念がある場合は、早急に対処すべきです。
※太陽光発電トラブル事例集『土砂崩れによる崩壊』参照
●保守・点検の確実な実施
改正FIT法には、
「適切に点検・保守を行い、発電量の維持に努めること」
「定期的に費用、発電量等を報告すること」
「設備の設置場所において事業内容等を記載した標識を掲示すること」
と明記されています。
これらに対する具体的な対応として、以下等が挙げられます。
・遠隔監視システムを導入し、発電所の稼働状況を日常的に管理すること
・年次点検の計画を作成すること
・駆け付け対応の準備をしておくこと
最低でもこの程度の方策は必要となるでしょう。
※太陽光発電の遠隔監視システムでおすすめは?5社を徹底比較参照
今後、改正FIT法の趣旨を踏まえて、国による事業計画策定ガイドラインが整備される予定ですが、それを待ってから対処するのではなく、事前に想定して準備しておくべきです。
『認定取り消し』という、事業者にとって最大のトラブルを避けるために、今やるべきことははっきりしていると言えます。