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太陽光発電O&Mブログ

太陽光発電の雑草対策 費用や失敗しない除草方法を解説

雑草対策
発電事業者
  • 太陽光発電に雑草対策は必要なんだろうか
  • 太陽光発電の除草はどの手法がいいんだろう
  • 草刈りや除草剤にかかる費用が知りたい

こんな疑問をお持ちではないでしょうか。

雑草は野立て太陽光発電所の発電量を大きく低下させる一番の原因と言えます。※1

雑草はパネル上に影を落とし、場合によってはホットスポット発生によるパネル故障を引き起こし、ひどくなると火災まで引き起こしかねません。

太陽光発電においてしっかり雑草対策をすることは最重要事項です。

しかし、発電所の状況に応じて適した雑草対策は異なるため、どの除草方法がいいか悩みますよね。

この記事では累計3,000件以上の太陽光発電のメンテナンス実績を踏まえて、太陽光発電の雑草対策についてご自分で行える対策も含めて丁寧に解説します。

この記事を読めばご自分の発電所に適した雑草対策を行うことができるようになります。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

※1 当社調べ

本記事内で紹介する費用等は、消費税別の概算金額となります。

目次

太陽光発電の草刈り・除草剤・防草シートの各費用

太陽光発電の代表的な除草方法である草刈り・除草剤散布・防草シートの概算費用を先にまとめました。

太陽光発電の除草費用の相場は年間約7.4万円〜10万円前後〜になります。

各種別毎は以下の通りです。実際は各企業のサービスによって変わり、あくまで1例です。

草刈り(刈り倒し)50円〜/㎡、年間10万円前後~
除草剤散布60円〜/㎡、年間8万円程度
防草シート敷設(施工費用込み)800円〜/㎡、年間換算で7.4万円程度
(20年間合計148万円程度)

実際は発電所の状況によって適した除草方法は様々。

草刈りをしていたにも関わらず損失を出しているケースもあります。

また適切な除草をすることで年間25万円以上の売電収入向上の事例もあり、損失をなくし売電収入を向上する上で除草はとても重要です。

現在無料相談受付中ですので、太陽光発電の除草についてお気軽にご相談ください。

雑草対策の種類と各対策の特徴

以下から各雑草対策の種類とかかる費用についての詳細を解説していきます。

各雑草対策の特徴と種類、費用、向いてる発電所の比較表

雑草対策は、「人的防除」、「機械的防除」、「化学的防除」、「生物的防除」、「物理的防除」の5つに分類されます。

各5つの分類が具体的にどのような雑草対策になるかというと、以下の通りです。

人的防除手による抜き取り、鎌等による手刈り
機械的防除草刈り機を使用しての草刈り
化学的防除除草剤の散布
生物的防除クラピアなどの被覆植物(グランドカバープランツ)により地面を覆い雑草を生えなくさせる
物理的防除防草シート、砕石敷き、コンクリート塗装など

人的防除は面積が広い発電所では現実的ではないため、その他4つの分類について取り上げます。

以下からは、それぞれの雑草対策の費用、気をつけるポイント、向いている発電所の条件を解説していきます。

注意

以下から紹介する各除草方法の費用はすべて一例としての紹介です。実際は各企業のサービス・プランにより変わります。

草刈り(機械的防除)

機械を用いた草刈りは雑草対策で最も一般的な手法です。

草刈りの費用・頻度・メリット・デメリット

費用50円〜/㎡、年間10万円前後~
※野立ての発電所では刈り倒したままにするのが一般的。刈った草を集めて廃棄まで行うと産業廃棄物となり高額な費用が掛かるため。
頻度年2〜4回の作業が必要
メリット・委託先次第だが、他の手法より安価にできる場合がある
・小規模な太陽光発電所であれば自分でもできる
・発電所の見た目が自然
デメリット・毎年定期的に行う必要がある
・委託先や頻度により大幅に価格が変わる
・配線の切断の危険性がある
・飛び石によるパネル破損の危険性がある
・慣れていないと大けがをする危険性がある

太陽光発電の草刈りにかかる費用は50円/1㎡〜で計算すると、年間10万円前後です。

例として50kW未満の700㎡の低圧発電所の場合で草刈りにかかる費用を計算すると、

1年の費用:700㎡ x 100円 x 2回 = 140,000円
20年間の費用:140,000 x 20 = 2,800,000円

となり、1年14万円、20年間で280万円かかる計算になります。

エナジービジョンでは費用対効果を考慮し、 最適な除草方法を提案しています。

ぜひ雑草対策無料相談でご相談ください。

自分で草刈りをする際に気をつけるポイント

草刈りでの除草作業では以下の点に注意が必要です。

  • 刈払い機で大怪我をしてしまう
  • 草刈りによる飛び石で太陽電池モジュールが割れてしまう
  • ケーブルを切断してしまう
  • 架台を傷つけてしまう

上記の点に気をつけて行いましょう。

特に、よほど慣れた方でない限り回転刃(ブレード)ではなくナイロンカッターの使用がおすすめです。

回転刃
回転刃
ナイロンカッター
ナイロンカッター 楽天市場より引用

回転刃の場合、まずは事故による怪我を十分に注意しましょう。

また飛び石が発生しやすく、モジュール・架台の損傷を引き起こす危険もあります。

業者に草刈りを依頼する際に気をつけるポイント

業者に依頼する際も太陽光発電所の草刈りに不慣れな場合、飛び石によるパネル損傷やケーブル切断を引き起こしてしまうことがあります。

依頼する際は太陽光発電での作業実績があるか確認することをおすすめします。

草刈り向きの太陽光発電所

自分で行うにしても労力がかかり、業者に依頼するにしても年間2〜4回必要で20年トータルでは割高になりがちなため、基本的には他の手法が適さない発電所で検討します。

刈りやすさによってコストが変動します。

  • 配線を地中に埋設しているか
  • 地表に転がしているか
  • パネル間の通路の広さやフェンスとの距離
  • 草刈りの頻度

上記のような点でコストが変動することに注意しましょう。

除草剤(化学的防除)

除草剤を散布し草を生えなくすることによる雑草対策です。

除草剤には農薬取締法に基づき「農薬」登録されたものと未登録のものがあります。

厳しい検査に合格した「農薬」は、その効力、安全性、毒性、残留性などが確認されています。

農林水産省に登録され登録番号が付与された「農薬」を使用することをお勧めします。

除草剤の費用・頻度・メリット・デメリット

費用60円〜/㎡、年間8万円程度
頻度年2回の散布作業
メリット・1回あたりのコストは安い
・小規模な太陽光発電所であれば自分でもできる
・散粒機の使用で容易に作業を行える
・草を生やさない効果が持続する
デメリット・効果は長くて半年程度、年に2回継続して散布が望ましい
・散布時期を間違えると効果が低い
・近隣に農地や用水路がある場合は使用しない方がよい

太陽光発電の除草剤散布にかかる費用は年間8万円程度です。

例として50kW未満の700㎡の低圧発電所の場合で計算すると、

1年の費用:700㎡ x 60円 x 2回 = 84,000円
20年間の費用:84,000 x 20 = 1,680,0000円

となり、1年間に8万4千円、20年間で168万円かかる計算になります。

エナジービジョンでは費用対効果を考慮し、 最適な除草方法を提案しています。

ぜひ雑草対策無料相談でご相談ください。

注意

長期間除草剤を使い続けると、雑草が除草剤への耐性を持ち、効果が低下することがあります。

除草剤散布を自分で行う場合

生えている雑草を処理するために散布する茎葉処理剤タイプ、雑草が生えてくるのを防ぐ土壌処理剤タイプの2つのタイプがあります。

茎葉処理型茎葉処理剤は、雑草の葉・茎にかけることで効果が現れる除草剤です。すでに伸びている葉・茎から吸収させます。
これから生えてくる雑草には効果がありません。
土壌処理型土壌処理型は土壌表面に処理層を作り、新たに生育する雑草の根から薬剤を吸収させて枯らします。
大きく成長した雑草には効果が薄くなります。

自分で除草剤を散布する際に気をつけるポイント

茎葉処理型と土壌処理型の2タイプそれぞれについて解説します。

茎葉処理型の除草剤の散布で気をつけること

以下、茎葉処理型の除草剤を散布する時に気をつけるポイントをまとめていますので参考にしてください。

  • 100cm以下の草に効果的
  • 茎葉から吸収されるため、しっかり茎葉に付く用に散布する
  • 噴霧器の使用が必須
  • 晴れの日で散布後1〜2日は雨が降らない予報の日がおすすめ
  • 風が強いと薬剤が発電所敷地外に飛散し、近隣の植物を枯らすことがあるため要注意
  • 散布直後に歩き回ると薬剤が落ち効果にムラが出ることあり。散布直後はできる限り立ち入らない
  • 薄めて使う希釈剤とそのまま使うタイプの2種類があるため使用方法を間違えない
  • 希釈量は雑草の種類によって違うため、説明書に書いてある量を遵守すること
  • 肌が露出しない格好で、吸い込まないように農薬用の防塵マスクを着用すること
  • 希釈剤の場合、大量の水が必要になるため、どこで水を汲み、どう運ぶかの検討が必要

おすすめの茎葉処理型の除草剤

以下おすすめの茎葉処理型の除草剤を紹介します。

クサトローゼ液剤(農林水産省登録 第21203号)
クサトローゼ錠剤
Amazonより引用

クサトローゼ液剤は以下のような特徴があります。

  • 希釈して散布する
  • 茎葉から吸収され根部へ移行し効果を発揮する
  • 1年生から多年生雑草まで枯らす
  • 7日~14日ぐらいで枯れ始める
  • 土壌中では速やかにアミノ酸に分解され、土壌に残留しない

土壌処理型の散布で気をつけること土壌処理

以下、土壌処理型の除草剤を散布する時に気をつけるポイントをまとめていますので参考にしてください。

  • 草丈が大きい草には効果がないため、草刈り後や茎葉処理剤で枯らした後に土壌処理型を散布する
  • 草が生え始めの春先などタイミングを見て散布すると効果的
  • 傾斜地では使用しないこと
  • 雨の日の翌日など適度に地面が湿っていると効果が出やすい
  • 撒きムラがあると雑草が伸びてしまう場所ができるので均一に散布する
  • 散粒機を使用すると簡単均一に散布できる

おすすめの土壌処理型の除草剤

バックアップ粒剤(農林水産省登録 第19296号)

バックアップ錠剤
(株)エス・ディー・エス バイオテックから引用

バックアップ粒剤には以下の特徴があります。

  • 雑草の生育初期に散布することで枯らし、その後生やさない効果が持続
  • 効果は約4~6ヶ月持続する
  • 1年生雑草から多年生雑草まで効果を発揮
  • 散布回数は年2回以内

業者に除草剤散布を依頼する際に気をつけるポイント

「草刈り後に無料で除草剤を散布する」という業者が、土壌処理型ではなく茎葉処理型の除草剤を散布している場合があります。

茎葉処理剤は効果が長続きしないため、草刈り後は土壌処理型の除草剤を散布してもらった方が良いでしょう。

また農地が近くにないか等は発電事業者が確認すべきではありますが、業者にも近隣の環境に配慮して散布してもらうようお願いするのも重要です。

除草剤向きの太陽光発電所

除草剤は農地や自然環境に悪影響を及ぼさない場所での使用が原則です。

周囲に農地や川などがなく、環境への悪影響が少ない場所は向いていると言えます。

また、土壌処理剤を散粒機で散布するのはとても簡単なので、発電事業者が自分で行うのに向いています。

防草シート(物理的防除)

防草シートは、日光を遮ることにより草が生えることを防ぎます。

防草シートは様々な種類があり、安いものだと草がシートを突き破ったり、2~3年で破れてしまったりするので注意が必要です。

適切なシートを選べば、長い目で見ると最も費用対効果に優れた対策です。

防草シートの費用・交換頻度・メリット・デメリット

費用800円〜/㎡
※使用する製品によって大きく異なる
交換頻度シートにより異なる
7〜13年(ザバーン240Gの場合)
20年(ウィードシールドの場合、10年保証+補修しながら使用)
メリット・一度敷設してしまえばその後の管理が大幅に楽になる
・耐用年数が長いものならばコストパフォーマンスに優れる
デメリット・初期費用が他の方法より高い
・敷き方に問題があると隙間から雑草が生える
・安物を選ぶとすぐに破れたり穴が空いたりする

また防草シートの種類は大まかに3種類あります。

織布(50円~200円/㎡)・よく見かける一般的なシート。農地周りや広い敷地をある程度防草する際に用いられる
・イネ科の強い雑草は容易に突き抜ける
・安価だが耐用年数が短く、太陽光発電には不向き
不織布(200円~500円/㎡)・耐用年数の短い砕石敷き用から表面加工などで耐久性を上げたむき出し用まで様々
・高密度の場合、イネ科の強い雑草も抑えられる。
不織布2層構造(500円/㎡~)・防草効果のある高密度不織布を紫外線劣化から守る(耐用年数を延ばす)ため、柔不織布を表面に施した2層構造
・最も耐用年数が長く、補修しながら使えば20年間の使用も見込める

太陽光発電の防草シートにかかる費用は20年合計で概算148万円です。

例として50kW未満の700㎡の低圧発電所の場合で防草シート敷設費用を計算すると以下の通りになります。

防草シートのみの費用:700㎡ x 800円 = 560,000円
敷設を外注する場合は、1㎡600円程度
700㎡ × 600円 = 420,000円

材料と施工の合計で980,000円、10年保証料が約10万円、その後の補修費が約40万円とした場合、20年合計で1,480,000円かかります。

自分で防草シートを敷く際に気をつけるポイント

以下自分で防草シートを敷く時の気をつけるポイントです。

  • 敷く前に草を刈り取っておく
  • 草木の切り株が残らないようきれいに除去しておく
  • 地面の凹凸が激しい時は平らにになるように整地する
  • シートにしわが入らないようにきれいに敷く
  • 10cm程度防草シート同士の重なり作って敷く
  • 留めピンの数や長さ、間隔、防草シート同士の重ね方、杭周りのテープの貼り方などメーカー指定通りに作業する

おすすめの防草シート

おすすめの防草シートは、白崎コーポレーションのウィードシールドです。

ウィードシールド
ウィードシールド
(株)白崎コーポレーションより引用

ウィードシールドは太陽光発電に特化して開発されており、二層構造で強壮雑草を完全抑止するのが特徴。

表面がポリエステル柔不織布で加工されており、紫外線から守るため上に砕石を巻く必要もありません。

詳細はこちらからご確認ください。

防草シートの上に砕石を巻くとより長期で利用できる

これから太陽光発電を新設される方であれば、防草シートの上に砕石を巻くことで紫外線や風雨が直接当たることを防ぐことで、防草シートをより長く利用できます。

予算に余裕がある場合は検討するのもいいでしょう。

業者に防草シート敷設を依頼する際に気をつけるポイント

防草シートの敷設の実績がある業者であれば、上記で説明したような気をつけるポイントを押さえて敷設してもらえるでしょう。

確認すべき点としては、ピンを挿して防草シートを固定するため地盤が硬すぎたり柔らかすぎたりしないか、が重要です。

防草シート向きの太陽光発電所

しっかりした防草シートを使い、適切な敷き方をすれば長期的に最もコストパフォーマンスがいいのが防草シート。

敷いた後の管理が楽なのも嬉しい点ですね。

ただ初期投資にお金がかかるため、初期費用を負担できるのであればおすすめとなります。

メーカーによってはリースや分割払いに対応しているところもあり、金利分割高にはなりますが、初期費用を軽減でき導入しやすくなります。

被覆植物・グランドカバープランツ(生物的防除)

被覆植物・グランドカバープランツによる除草は、地面を草丈が低い植物で覆い雑草より優位に立たせることで、他の雑草が生えてくるのを防ぐ手法です。

クラピアやクローバーなどを植生してカバーしますが、それら植物のきめ細かな管理が必要となるため、太陽光発電所の雑草対策としてはお勧めしません。

ただし、クラピア等の管理も趣味として楽しめる方は挑戦してみてください。

被覆植物・グランドカバープランツの費用・手入れの頻度・メリット・デメリット

費用2,000円〜/㎡
手入れの頻度地面を覆うまでは週に2〜3回水やり
その後時期に応じて2ヶ月に1度程度の頻度で手入れが必要
メリット・景観保持や土壌保護等の効果もある
・地表温度を下げることで発電効率が下がらない
※太陽電池モジュールは温度が上昇し過ぎると発電効率が下がるため
・見た目がいい
デメリット・発芽から定着まで水管理に注意が必要
・地表全面を被覆植物を覆うまで雑草対策をする必要がある
・土壌や環境によっては育ちにくい場所がある
・植物のため病気・枯れ・害虫対策の手入れが必要

50kW未満の700㎡の低圧発電所の場合でグランドカバープランツにかかる費用を計算すると、

1年の費用:700 x 2,000円 = 1,400,000円
20年間の費用(半分程度植え替える想定):1,400,000 x 1.5 = 2,100,000円

かかる計算になります。

グランドカバープランツは最初に根付くまでの手入れが大変な手間ですし、その後も継続的に管理する必要があります。

O&M事業者に外注した場合、費用が掛かり過ぎますので、発電所が近場にあり植物の手入れ自体も趣味として楽しめる発電事業者以外には向いていません。

業者の利用を考えている方は、太陽光発電メンテナンス業者のサービスを比較した記事も参考にしてみてください。

ヒツジ・ヤギ等の動物による除草(動物的防除)

ヒツジ・ヤギ等の家畜を飼い、雑草を食べてもらうことで除草をします。

動物であるため、水やりや雑草だけでは餌が足りない時の給餌など、世話をする手間が大きくかかります。

それだけの手間を掛けるなら、他の雑草対策を検討した方が良いでしょう。

ただし、ヒツギ・ヤギを飼うことに興味があるならば挑戦してみてください。

ヒツジ・ヤギ等の動物による除草の費用・メリット・デメリット

費用50,000円/頭
その他:小屋・飼育箱・水場、資料・柵の設置費用など
世話の頻度毎日
メリット・話題作り
・地域の人との交流が生まれやすい
デメリット・コストがかかる
・世話をする必要がある
・動物のエサにならない雑草は別途対策する必要がある

動物なので定期的な世話が必要になり、遠隔地にある野立ての太陽光発電所等では現実的ではありません。

住居のそばに太陽光発電所があり、動物の面倒を見れる方、動物好きな方、雑草対策の費用対効果を重視しない方であれば検討してもよいでしょう。

砕石(物理的防除)

石を敷き詰めることで雑草の生育を妨げる手法です。

完成済みの発電所に後から施工することは困難です。これから発電所を新設される方は検討してもいいでしょう。

砕石を敷く費用・メリット・デメリット

費用1500円〜/㎡
手入れの頻度半年に1回程度。経過と共に土と混じるため
メリット・草が生えてきても抜き取りやすい(防草シートを下に敷いている場合)
・架台や現場形状に左右されず施工が楽
デメリット・隙間から草が生えてくるため他の雑草対策との併用が必要になる(防草シートを敷かない場合)
・草刈り機を使用する場合は石の飛散によるパネル損傷に十分気をつける必要があり、草刈り機が使いにくい
・発電所を閉所することになった時に撤去費用がかかる
・地面が高温になることで発電効率が悪化し損失が発生する

砕石のみでは雑草対策効果は低く、隙間から雑草が生えてきてしまいます。

防草シートの上に敷くなどをした方が効果が高まります。

コンクリート・アスファルト(物理的防除)

地面をコンクリート・アスファルトで覆って雑草を生やさない手法です。

完成済みの発電所に後から施工することは不可能です。

効果は高いものの、費用が最も高額になります。

コンクリート・アスファルトでの対策にかかる費用・メリット・デメリット

費用5,000円〜/㎡
頻度初期施工後は手入れ不要
メリット・防草効果が最も高く、効果期間も長い
・維持管理コストがほとんど不要
デメリット・初期費用と撤去時の費用が高い
・排水を考慮して施工する必要がある
・地面が高温になり、発電効率が悪くなり損失が出やすい

費用が高額な対策になるため、よほどの理由がない限り別の方法の方がおすすめです。

架台の背を高くする

雑草が伸びるよりも高い架台にする方法もありますが、雑草によっては2mを超える高さにまで伸びるものもあります。

例えば全国に分布しているセイタカアワダチソウは優に2.5m、よく育つ環境だと4mを超える高さまで伸びます。

また架台を高くすることにより、架台自体の値段も上がってしまいます。

あまりに架台が高いと雑草対策以外のメンテナンス性が悪くなるため、ソーラーシェアリング(農営型太陽光発電)でない限り架台の背を高くする雑草対策は現実的ではありません。

雑草対策の選び方・組み合わせの具体例

20年間を見越した雑草対策として考えると、耐久性の高い防草シートをしっかり施工する、ことが一番のお勧めです。

おすすめな防草シートは、前章で紹介した白崎コーポレーションのウィードシールドです。

マニュアルに書かれている通りに敷くことが前提ですが、一度敷設すると20年間は敷き直す必要がなく雑草対策に気を配る必要がなくなります。

ただし、諸事情により他の手法も検討する必要がある場合は、次のプランもおすすめです。

  1. 春に土壌処理剤を散布し生やさないことを目指す
  2. 草の種類によっては土壌処理剤が効きにくいものもあるので、その際は、草刈りも併用する
  3. 夏に2回目の土壌処理剤を散布し生やさない状態をキープする
  4. 除草剤を使えない場所は、定期的な草刈りを実施する

検討の順序は、防草シートを最優先とし、次に土壌処理型の除草剤、最後に草刈りとなります。

雑草対策の失敗例

以下から各雑草対策でよくある失敗例を紹介します。

防草シートでの失敗例

まずは防草シートでの失敗例を準備時、シート敷設時、敷設後に分けて解説します。
原因と対策を紹介しますので、ご自身で防草シートを敷設する際は参考にしてください。

事象原因対策
破れる・低品質な防草シートを選定
・紫外線による劣化
・施工ミス
・高品質なものを選ぶ
・耐候性に優れたものを選ぶ
・施工マニュアルを遵守して施工する
剥がれる・ピンの選定ミス
・シートの重ねしろが少ない
・地面の凸凹が激しい
・施工マニュアルを遵守して施工する
・正しい長さのピンを選定する
・適切な重ねしろを確保する
雑草が突き抜ける・低品質な防草シートを選定
・施工ミス
・高品質なものを選ぶ
・施工マニュアルを遵守して施工する
隙間から雑草が生える・隙間用テープの不良施工
・事前の除草不良
・隙間用テープを確実に貼る
・敷設前にしっかり草刈りをする

草刈りによる失敗

誤ってケーブルを切断してしまう

事前にケーブルの位置を確認し、ケーブル周りは機械での草刈りはせず、鎌を用いて人の手で刈りましょう。

石が飛んでパネルを割ってしまう

草刈り機を地面に当てると石が飛ぶ原因になります。地面の少し上を撫でるように刈るようにしましょう。

飛んできた石で怪我をする・熱中症になる

石跳ねや、硬いものにブレードをぶつけた跳ね返りで大怪我をすることがあります。

慣れていない場合は、一人での草刈りは避けましょう。

また暑い日に行うと熱中症の危険性もあります。

水分・塩分を小まめに取り、無理せずしっかり休憩を取るようにしましょう。

除草剤による失敗

土壌処理型と茎葉処理型の違いを知らず除草剤を散布する

すでに生えている雑草に大して、土壌処理型の除草剤を散布しても効果はありません。

発電所の用地に適した除草剤を使用することが大事です。

液剤の希釈量を誤る

希釈型の除草剤の場合、商品ラベルに希釈量について説明が書いてあります。

希釈量は植物の種類によっても変える必要がある場合も多いです。

費用を削減するためにラベルの説明する量より薄い希釈で使用しても、効果が薄く再度散布しなくてはならなくなり、二度手間になってしまいます。

ラベルの希釈量を守って散布するようにしましょう。

散布量を誤る

土壌処理型の粒剤も、適正な散布量が商品ラベルに記載されています。

薬剤のコストを下げるために、使用量を減らしてしまう場合がありますが、当然効果も下がり雑草を抑制できなくなる可能性があります。

適正な散布量を守りましょう。

散布にムラが出る

除草剤の散布にムラがあると、よくかかっていないところから雑草が生えてしまいます。

ムラなく散布するには、噴霧器・散粒機の使用がおすすめ。

液体タイプの茎葉処理型では噴霧器を使うことで、ムラなく散布できます。

除草剤散布用ではないジョウロなどを使用すると、ムラができてしまうためおすすめできません。

また土壌処理型では散粒機を使用するとムラなく撒けます。

手撒きではどうしても均一に散布するのに無理があります。

低圧発電所なら安価な電池式の散粒機でも十分役に立つのでおすすめです。

太陽光発電の除草費用削減・売電収入向上をした事例

以下からエナジービジョンにて行った雑草対策で、除草費用削減や売電収入が向上した事例を紹介します。

年1度のみの草刈りで年間41万円の損失を発見、適切な除草対応後140%の発電効率の回復、3ヶ月で22万円の売電金額改善

システム容量49.5kWの千葉県の産業用太陽光発電所において、弊社で雑草対策をしたところ3ヶ月間の売電金額が22万円アップした事例です。

2019年から大幅な発電量低下があり、弊社に問い合わせいただきました。

弊社で発電量解析を行ったところ、2021年7月時点での直近1年の発電量が47,532kWh。

以前のO&M会社からは毎年1回草刈りをしている、と連絡を受けていたにも関わらず、ピーク時の年間発電量58,968kWhから11,436kWも発電量が下がっており、41万円もの損失を発生していました。

そこで2022年から土壌処理型の除草剤を年2回散布することを提案。

春先の1回目は以前のO&M会社が最後に対応しましたが、夏に2回目を散布しに行くと撒きムラのためか複数箇所で雑草が伸び放題な惨状でした。

さらにスズメバチやクマバチを引き寄せるツタ系植物のヤブガラシが生えており、刺される危険から草刈りもできない状況。

結局ハチ対策ができる草刈り業者に依頼しての対応となり、年間12万円除草対策にかけることになりましたが、それでも2022年9月時点で損失額は27.5万円に減少しました。

土壌処理剤ではツタ系植物を枯らすのは難しいため、2023年以降の雑草対策は防草シートの敷設を提案いたしました。

見積額は100万円になりましたが、以前の損失額や前年にかかった除草費用を基に費用対効果を数値で示し、防草シートの導入を決定いただきました。

2023年3月に防草シートを敷設したため、9月現在時点では1年間を通し結果は出ていないものの、5〜7月のデータを前年と比較したところ既に売電金額が22万円回復。

日射量を加味した発電効率の回復率でも5〜7月で140%で、年間120%の発電効率の回復で試算すると37万円もの売電金額アップとなります。

防草シートの費用100万円が、3年で回収できる計算です。

また弊社で定期的に発電量を監視し雑草管理をするため、経年劣化を差し引いての大幅な発電量低下は今後もなく、37万円アップした金額と同等の売電金額が得られる想定です。

上記の通り費用対効果を計算した上で適切な雑草対策を知りたい方はぜひ除草についての無料相談をご利用ください。

回復した3ヶ月間の売電金額22万円
発電所所在地千葉県
システム容量49.5kW
以前の年間損失額41万円
見込みの年間売電金額のアップ額37万円

切り替え前の除草では年間29.5万円の損失。弊社担当後は25.3万円の売電金額向上

2つ目の事例はO&Mをしていたにも関わらず年間29.5万円もの損失が発生していた発電所が、弊社切替後は年間25.3万円の売電金額の回復、発電効率も94.6%まで回復した事例です。

発電事業者様から発電量が適切か念のため確認したいとのことで2021年1月に問い合わせをいただきました。

当初は「草刈りは年2回、点検も年1回しているから大丈夫なはず。」と発電事業者様は特に問題がない、という認識でした。

しかし弊社で発電量解析を行ったところ、直近1年間の売電金額は187.6万円で、ピーク時に比べて年間29.5万円の損失が出ているのを発見

解析結果から春から秋にかけてパワコンごとの発電量のバラツキが拡大しており、雑草の影による発電量低下と推測しました。

発電事業者様は「草刈りはしているはず。」と半信半疑の状態でしたが、いざ現地に行ってみると雑草の繁茂が激しいエリアが多数ある状態

2021年3月に草刈り・除草剤の散布を行って以降は、草の悪影響が抑えられパワコン間の発電量のバラツキもなくなりました。

2022年10月の発電量解析では、直近1年間の売電金額は212.9万円になり、2021年1月から25.3万円の回復。

ピーク時の発電効率を100%とすると、2021年1月の発電効率は86.4%だったのが、2022年10月においては94.6%と8.2%もの発電効率の回復も達成しました。

草刈り・除草剤散布の費用を上回る売電金額の回復となり、費用負担よりメリットの方が大きい結果になっています。

回復した3ヶ月間の売電金額25.3万円
発電所所在地茨城県
システム容量49.5kW
以前の年間損失額29.5万円

防草シートの敷設で年間5万6千円以上の売電収入向上総売電収入も22万円以上アップ

3つ目は10kWの小規模な発電所ながらも売電収入が5万6千円以上改善した事例です。

複数の発電所を保有されている発電事業者様で、

・草刈り・除草にかかる手間を軽減したい

を目的に弊社にご相談いただきました。

弊社から解決策として防草シートの活用を提案いたしました。

当初は除草作業の負担軽減が目的でしたが、結果的に発電量の回復にも貢献し、年間売電金額が約5万6千円改善しました。

複数あるうち1つの発電所のみの結果でも、防草シート敷設前の年間売電金額が462,978円。

防草シート敷設後の年間売電金額が519,123円と、防草シート敷設前後の1年間の差額は56,145円となっています。

約38万円の防草シートの敷設費用が、売電金額の増額分の換算約5万6千円で7年足らずで元が取れる計算です。

発電所の残りのFIT期間が11年間であったため、総売電収入が約22万円のアップを見込んでいます。

また49.5kWの発電所に換算した場合、年間28万円分に近い発電効率の回復・売電収入の向上となりました。

回復した3ヶ月間の売電金額5.6万円
発電所所在地千葉県
システム容量10kW
以前の年間損失額3万2千円
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太陽光発電に雑草対策が必要な理由

野立ての太陽光発電において、雑草対策は必要不可欠です。

「雑草対策をしなくても、多少生えてる程度であれば問題ないのでは。」

「できる限り負担を減らしたいから、雑草対策を抜いてしまおう。」

と思って雑草対策を怠ると、逆に損失の方が大きくなってしまいます。

以下、雑草対策が必要な理由を解説していきますね。

雑草の影による発電量の低下を防ぐ

雑草が生い茂ることで太陽電池モジュール(太陽光パネル)に影がかかり、発電量低下を引き起こす原因になります。

太陽電池モジュールはごく一部に影がかかるだけでも、構造的にモジュールの1/3が発電しなくなることがあります。

投資用で運用している太陽光発電では、発電量の低下はそのまま収益の低下に直結します。

雑草の影が掛かるだけで、年間30万円もの損失(低圧発電所1区画の場合)が発生しているケースも。

雑草をなくすことで正常な発電量を維持し、収入を向上できます。

改正FIT法を遵守し、認定取り消しを防ぐ

2017年の改正FIT法でメンテナンスが義務化され、適切な設備運用がされていない場合、FIT認定が取り消されることになりました。

資源エネルギー庁の「事業計画策定ガイドライン」でも、「第3節 運用・管理 4.周辺環境への配慮」において、「雑草の繁茂等による周辺環境への影響がないように管理するように努めること。」と記載されています。

このように雑草が伸び放題になっていることで適切なメンテナンスがされていないとみなされ、認定が取り消され売電ができなくなる恐れがあります。

雑草の影によるホットスポットを防ぐ

雑草の影によりホットスポットが生じる危険性が高まります。

影のかかった部分の太陽電池モジュールは電気抵抗が高くなります。

電気抵抗が高くなった部位に無理に電気を通そうとすると発熱を引き起こし、発熱した状態が続くと「ホットスポット」となり、それが長期間続くことで故障の原因となるんですね。

雑草が原因のホットスポットで故障した場合、パネルメーカーの保証対象外となり自己負担での修理となりかねません。

できる限りホットスポットは起こさないことが大事です。

雑草の内部侵入による故障・不具合の発生を防ぐ

雑草が伸びることで、排熱用ファンがあるパワーコンディショナーでは、通気孔から内部に雑草が侵入してしまうことがあります。

雑草が内部に侵入すると、ショートして火災が発生したり故障の原因となってしまいます。

火災の発生は発電所だけでなく、周辺の施設などに燃え移り被害が広がる可能性もあり危険です。

雑草によっては2m以上の高さに伸びるものがあり、つる性のものであれば架台を伝ってパワーコンディショナーに到達したり、パネルの上に繁茂してしまうことも。

取り返しがつかない事態になる前に、パワーコンディショナーの内部に雑草が入らないよう適切な雑草対策が不可欠です。

枯れ草がかかると火災の原因ともなる

雑草による景観悪化・近隣住民からの苦情を防ぐ

雑草を放置することで景観悪化を招き、近隣住民から苦情が入ってしまうこともあります。

  • 発電所の草が道路にはみ出し歩行や運転の妨げになる
  • 「人が立ち入っていない」とみなされゴミを不法投棄される
  • 伸びた雑草の衣服に付着する種や綿毛などによる迷惑

等によってクレームが寄せられるケースが見受けられます。

太陽光発電は長期事業となるため、近隣住民とは良好な関係を築き持続させたいもの。

近隣住民との関係性を良好に保つためにも、雑草対策は欠かせません。

ネズミ・ヘビの住処となりケーブル断裂を防ぐ

雑草が伸び膝丈くらいの高さになると、ネズミやヘビが住み着くこともあります。

設備のケーブル・配線がネズミに噛まれて損傷してしまう場合があり、ケーブルが傷つくと漏電や火災の原因となります。

また雑草の茂みはヘビが好む環境のため住み着いてしまうことも。

有毒なマムシ・ヤマカガシが住み着いてしまうと、噛まれた場合は重症となる危険性があります。

さらに雑草が繁茂することで、アシナガバチやスズメバチなどが巣を作りやすくなり大変危険です。

漏電から火災発生を防ぐ

雑草が生い茂っていると、万が一漏電やアーク放電が発生した場合に引火し、火災が発生してしまう危険性があります。

特に枯れ草となった雑草は燃えやすく、危険性がさらに高まるので要注意。

伸び放題になっていることにより、火災が敷地外まで広がり近隣の住宅・施設にまで燃え移ってしまう心配も高まります。

発電所は基より、発電所外への甚大な被害は絶対に避けるべきでしょう。

太陽光発電事業の維持に雑草対策が欠かせない

前述したように、雑草の陰がかかるだけで1区画の低圧発電所で年間30万円もの損失が発生しているケースもあり、雑草対策にかかる費用以上に損失を発生していることもあります。

野立ての太陽光発電所において雑草対策は必須。

ただ発電所の規模、近隣の環境、土地によっても適した雑草対策は異なります。

エナジービジョンでは費用対効果を見つつ適切な雑草対策を提案しています。

弊社独自の「発電量解析」を行うことで、いつどのような除草をすればいいかを遠隔監視システムのデータから割り出してアドバイス・対策の実施を提供中です。

もし適切な除草方法が分からなかったり、草刈り・防草シート・除草剤散布で費用がかかり過ぎていると感じている場合は、お気軽にご相談ください。

現在、無料相談キャンペーン中で、ご希望の方には無料で「発電量解析」を行った上で最も費用対効果が高い除草方法を提案させていただきます。

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