O&Mのメリットのひとつ、
・太陽光発電所の売電利益の損失を最小限にできる
という点を説明します。
売電利益の損失を招く主な要因は以下。
A. 系統側理由による売電停止
B. 草木による影
C. 太陽光パネルの汚れ
D. パネルの故障・経年劣化
E. パワコンの故障・経年劣化
F. 積雪による発電低下
B. については、どれだけ影が掛かるか次第で、影響の大きさは極端に変わります。
先日、スポット点検時に簡単な除草をした発電所の場合は、次のような感じでした。
・南向きに面した太陽光アレイに、隣の発電所に生えているセイタカアワダチソウの影が少し掛かっていた
・影を取り除くべくセイタカアワダチソウを刈り倒した
刈り倒したのは20本弱だったと思います。この程度の本数でどれだけ影響出るかな?と、あまり期待していなかったのですが、遠隔監視データを解析して見ると、刈り倒し前と後では当該エリアのパワコンの売電量で7~8%程度は効率がアップしていました。
当該エリアのパワコン1台の年間売電金額はおよそ25万円ですので、その7%とすると年間17,500円のロスを取り戻したイメージです。今回は一部エリアだけでしたが、もし全体に雑草が生えていたなら売電金額約200万円の10%程度、20万円ぐらいの損となっていてもおかしくありません。
隣地の樹木の葉っぱが、より大きな影響を与える場合もあります。
遠隔監視システムのデータで影の影響を推測することはできますが、やはり現地で目視点検することが手っ取り早いですね。
それと、
雑草が繁殖していると、昆虫が集まってきてパワコンのフィルターが汚れやすくなったり、昆虫を捕食する小動物が集まりパネルを汚したり、配線をかじったり、とろくなことはありません。
さらにフェンスに絡みついて重さで引き倒してしまう、なんてことも。
「太陽光発電事業は耐えざる雑草との戦いである」と誰かが言ったとか、言わないとか(笑)。
2018/1/27 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之