昨日のブログはこちら。
O&Mの大枠でのメリットとして、下の1.2.3.があります。
1.太陽光発電所の設計・施工に問題がないか確認できる
2.太陽光発電所の安全性を確保できる
3.太陽光発電所の売電利益の損失を最小限にできる
1.についてはこちらのブログをご覧ください。
2.について、
設計・施工ミスがない場合でも経年劣化や外部要因により発生する、安全性の問題としては次のようなことがあります。
A. パネル故障が原因の火災
B. パワコン、接続箱、集電箱からの火災
C. ボルトの緩みによる架台、パネルの飛散
D. サビによる強度低下による倒壊
E. 漏電による感電
A.についてはこちらのブログを、B.についてはこちらを、C.についてはこちらをご覧ください。
今日はD. E.について、です。
基礎や架台のサビは、経年により徐々に増えています。
特に単管パイプやスクリュー杭などの地際(じぎわ)腐食が懸念されています。
地際腐食とは、杭を打ち込んだ地面との際(きわ)の部分がサビる現象で、水分量や土壌の質、迷走電流の有無など、特定条件が揃った時に発生します。
本来はサビない材料を使っているはずなのに、まれに激しくサビていることがあります。
サビが進行し強度が失われれば倒壊の心配が出てきますが、残念ながら太陽光業界においては、まだまだ知見が足りない部分で、定量的な判断基準がありません。
交通標識などは地際腐食の発生を抑える工法が取られていますが、太陽光の場合、コストの関係でそのような工法が取られることは滅多にありません。
今後、経年によるサビがどんどん進行していきますので、低コストな対策の確立が望まれています。現時点においてはサビの状態をしっかりと把握して経過観察することが大切です。
またE.の漏電による感電事故は、今のところ聞いたことはありませんが、小動物がケーブルをかじることもありますので、いつ発生してもおかしくないでしょう。
直流で数百ボルトの電圧が流れていますので、万一、感電事故となれば大変な事態となります。
太陽光発電所の安全性の問題は、金銭的な損失よりも重視して考えるべきこと、と思いませんか?
2018/1/20 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之