- 太陽光発電のメンテナンスを自分でできるだろうか
- 自分で行う際のポイントが知りたい
- 自分でできる範囲を知りたい
このような疑問にこの記事でお答えします。
太陽光発電のメンテナンスはコスト増となるため、ご自分で極力メンテナンスしたいとお思いの方もいるでしょう。
この記事では、太陽光発電のメンテナンスを自分で行う場合についてのポイントを解説しています。
この記事を読めば一通りメンテナンスについての基本を抑え、電気的点検以外のメンテナンスをご自分で行えるようになります。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
10kW以上〜50kW未満の低圧発電所を主な対象として解説していますが、10kW未満の住宅用、50kW以上の高圧発電所でも参考になる内容です。
目次
太陽光発電のパネル掃除を自分で行うポイント
太陽光パネル清掃は、パネル角度が15度以上であれば汚れが雨で流れ落ちるためそこまで行う頻度は高くありません。
しかし15度以下の場合、汚れが蓄積し発電力を低下させてしまうことがあります。
パネルや環境に悪影響を与えずに洗浄する必要があり、
以下のような点に注意して行います。
- パネルの上に乗らない(パネルが壊れます)
- 環境負荷の高い洗剤を使用しない
- 水道水を使う場合はカルキが残らないように気をつける
一般的な土埃などの汚れの場合は、洗剤を使わずに水で濡らして雑巾やモップ等で軽くこすり洗いし、仕上げにワイパーで汚れをかき落とします。
ヒカサンブラシというパネル洗浄用の商品を使うのもいいでしょう。
水道水が蒸発するとカルキが白く残ることがあるので、できれば純水を使いたいところですが、コストが高くなりすぎるので水道水でも可です。
ただし、パネル上に水道水が残らないように、 水切りワイパーで水と汚れを掻き落とすようにします。
太陽光発電の目視点検を自分で行うポイント
目視点検は目で見て異常がないか確認するだけなため、発電事業者でも取り組みやすい点検です。
点検時には、
- 架台の腐食や錆び、ボルトの緩みや脱落
- パワコン外箱の腐食や破損、内部の異音や異臭、発煙
- フェンスの損傷
- 地面の土砂流出
- パネルの破損や極端な汚れ
を確認するといいでしょう。
太陽光発電の雑草対策を自分で行うポイント
雑草対策もご自身で行えるメンテナンスでしょう。
草刈り、除草剤、防草シート、緑化植物によるカバーと、それぞれ気をつけるべきポイントがあります。
自分で草刈りをする際に気をつけるポイント
草刈りでの除草作業では以下の点に注意が必要です。
- 刈払い機で大怪我をしてしまう
- 草刈りによる飛び石で太陽電池モジュールが割れてしまう
- ケーブルを切断してしまう
- 架台を傷つけてしまう
上記の点に気をつけて行いましょう。
特に、よほど慣れた方でない限り回転刃(ブレード)ではなくナイロンカッターの使用がおすすめです。
回転刃の場合、まずは事故による怪我を十分に注意しましょう。
また飛び石が発生しやすく、モジュール・架台の損傷を引き起こす危険もあります。
長期間除草剤を使い続けると、雑草が除草剤への耐性を持ち、効果が低下することがあります。
除草剤散布における除草剤の種類
前提として除草剤には2つのタイプがあることをまずは押さえましょう。
生えている雑草を処理するために散布する茎葉処理剤タイプ、雑草が生えてくるのを防ぐ土壌処理剤タイプの2つのタイプがあります。
茎刃処理型 | 茎葉処理剤は、雑草の葉・茎にかけることで効果が現れる除草剤です。すでに伸びている葉・茎から吸収させます。 これから生えてくる雑草には効果がありません。 |
土壌処理型 | 土壌処理型は土壌表面に処理層を作り、新たに生育する雑草の根から薬剤を吸収させて枯らします。 大きく成長した雑草には効果が薄くなります。 |
自分で除草剤を散布する際に気をつけるポイント
茎葉処理型と土壌処理型の2タイプそれぞれについて解説します。
茎葉処理型の除草剤の散布で気をつけること
以下、茎葉処理型の除草剤を散布する時に気をつけるポイントをまとめていますので参考にしてください。
- 100cm以下の草に効果的
- 茎葉から吸収されるため、しっかり茎葉に付く用に散布する
- 噴霧器の使用が必須
- 晴れの日で散布後1〜2日は雨が降らない予報の日がおすすめ
- 風が強いと薬剤が発電所敷地外に飛散し、近隣の植物を枯らすことがあるため要注意
- 散布直後に歩き回ると薬剤が落ち効果にムラが出ることあり。散布直後はできる限り立ち入らない
- 薄めて使う希釈剤とそのまま使うタイプの2種類があるため使用方法を間違えない
- 希釈量は雑草の種類によって違うため、説明書に書いてある量を遵守すること
- 肌が露出しない格好で、吸い込まないように農薬用の防塵マスクを着用すること
- 希釈剤の場合、大量の水が必要になるため、どこで水を汲み、どう運ぶかの検討が必要
太陽光発電のおすすめの茎葉処理型の除草剤
以下おすすめの茎葉処理型の除草剤を紹介します。
クサトローゼ液剤(農林水産省登録 第21203号)
クサトローゼ液剤は以下のような特徴があります。
- 希釈して散布する
- 茎葉から吸収され根部へ移行し効果を発揮する
- 1年生から多年生雑草まで枯らす
- 7日~14日ぐらいで枯れ始める
- 土壌中では速やかにアミノ酸に分解され、土壌に残留しない
土壌処理型の散布で気をつけること土壌処理
以下、土壌処理型の除草剤を散布する時に気をつけるポイントをまとめていますので参考にしてください。
- 草丈が大きい草には効果がないため、草刈り後や茎葉処理剤で枯らした後に土壌処理型を散布する
- 草が生え始めの春先などタイミングを見て散布すると効果的
- 傾斜地では使用しないこと
- 雨の日の翌日など適度に地面が湿っていると効果が出やすい
- 撒きムラがあると雑草が伸びてしまう場所ができるので均一に散布する
- 散粒機を使用すると簡単均一に散布できる
太陽光発電のおすすめの土壌処理型の除草剤
バックアップ粒剤(農林水産省登録 第19296号)
バックアップ粒剤には以下の特徴があります。
- 雑草の生育初期に散布することで枯らし、その後生やさない効果が持続
- 効果は約4~6ヶ月持続する
- 1年生雑草から多年生雑草まで効果を発揮
- 散布回数は年2回以内
自分で防草シートを敷く際に気をつけるポイント
以下自分で防草シートを敷く時の気をつけるポイントです。
- 敷く前に草を刈り取っておく
- 草木の切り株が残らないようきれいに除去しておく
- 地面の凹凸が激しい時は平らにになるように整地する
- シートにしわが入らないようにきれいに敷く
- 10cm程度防草シート同士の重なり作って敷く
- 留めピンの数や長さ、間隔、防草シート同士の重ね方、杭周りのテープの貼り方などメーカー指定通りに作業する
おすすめの防草シート
おすすめの防草シートは、白崎コーポレーションのウィードシールドです。
ウィードシールド
ウィードシールドは太陽光発電に特化して開発されており、二層構造で強壮雑草を完全抑止するのが特徴。
表面がポリエステル柔不織布で加工されており、紫外線から守るため上に砕石を巻く必要もありません。
詳細はこちらからご確認ください。
防草シートの上に砕石を巻くとより長期で利用できる
これから太陽光発電を新設される方であれば、防草シートの上に砕石を巻くことで紫外線や風雨が直接当たることを防ぐことで、防草シートをより長く利用できます。
予算に余裕がある場合は検討するのもいいでしょう。
その他太陽光発電の雑草対策について解説した記事もあるため確認してみてくださいね。
太陽光発電の遠隔監視を自分で行うポイント
遠隔監視システムによる監視は、「短期・突発的な発電量の低下」と「長期・継続的な発電量の低下」の2つの種類の低下に着目します。
「短期・突発的な低下」を発見する方法としては、毎日一回、正午ごろに発電量を確認すると良いでしょう。
一番発電量が良い時間帯に、どのくらい発電しているか、毎日見ていれば感覚的に把握できるようになり突発的な発電量低下に気付くことができます。
「長期・継続的な低下」は、遠隔監視システムから長期の発電量をダウンロードし、気象庁のHPから日射量データも取得して、日射量あたりの発電量が長期的にどのように推移しているか照らし合わせることで判断できます。
長期・継続的な低下の発見についても発電事業者様がご自分でやろうと思えばできることですが、そこまで手を掛けられないという場合はプロに任せても良いでしょう。
ただメンテナンスで、定期的な発電量の監視業務をサービス範囲内として対応している業者はあまり多くはありません。
エナジービジョンでは遠隔監視データを用いて発電量低下の原因がわかる「発電量解析」を行っています。
今なら毎月限定20名様まで無料キャンペーン実施中。
発電量が落ちたままだと損失を出し続けることになります。
ぜひこの機会に発電力が少ない原因を特定し、損失を防ぎませんか?
遠隔監視のアラートメールはあまり過信しない方がおすすめです。発電量が大幅に落ちているのにアラートメールが発報されない、ということが少なくありません。
まだ遠隔監視システムを導入していない方は太陽光発電の遠隔監視システムを比較した記事を参考にしてくださいね。
電気的点検・パワーコンディショナー関連の不具合はプロに任せる
電気的点検、パワーコンディショナーの不具合・故障などはプロに任せるべき範囲です。
専門機器と専門知識・スキルが必要な分野となります。
不具合があった時に悪化させてしまう危険性もあるため、無理に自分で対応しようとせずプロに依頼しましょう。
エナジービジョンでは電気的点検の回数を極力減らして太陽光発電のメンテナンス費用を削減した太陽光発電メンテナンスサービスを提供しています。
さらに発電所について相談できる無料相談会も受付中。
以下のリンクからお申し込みいただけます。
太陽光発電の低圧に特化して各社メンテナンスサービスの費用やサービス内容を、各太陽光発電メンテナンス業者を比較した記事で詳細に解説しています。合わせてご確認ください。
太陽光発電メンテナンスは注意しつつ自分で行えることもある
以上、太陽光発電のメンテナンスを自分で行う場合について、注意したいポイントについて解説してきました。
ここに書いてある内容は弊社でも実際にメンテナンスの際に行っていることです。
発電事業者様がご自分でメンテナンスを行う場合の参考になれば幸いです。