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太陽光発電O&Mブログ

太陽光発電の主幹ブレーカー容量間違い

低圧発電所でよく見受けられるのが、交流集合盤の主幹ブレーカーの容量間違いです。
特に、流行している「後載せで過積載」にしたシステムの場合、トラブルを招きやすいので、十分な注意が必要です。

容量超過・雑な増設等、問題の多いブレーカー

50kW未満の低圧発電所において、交流集合盤の主幹ブレーカーの容量の間違いを犯している事例をよく目にします。
通常は、系統ブレーカーの総容量よりも、主幹ブレーカーの方を大きくしなくてはなりません。
上の画像を例に見てみると、以下のようになります。
・主幹ブレーカー
・200A        (上部中央 黄色囲み部分)
・系統ブレーカー
・40A×6個=240A (下部   黄色囲み部分)
・40A×2個=80A  (上部左右 赤色囲み部分) ※後から増設
つまり合計320A分を、200Aの主幹ブレーカーに、無理矢理に接続しています。
これでは太陽光発電システムが正常に発電した場合に、主幹ブレーカーがトリップ(遮断)してしまいます。(ただし、この事例の場合、モジュール容量・パワコン容量が把握できていない為、他になんらかの特殊な理由があるのかもしれません。)

では、一般的な49.5kW(定格出力合計、単相パワコン)の低圧発電所の場合、主幹ブレーカーは何アンペアのものを使うべきなのでしょうか?
よく見られるのが、「コストを下げるために、できるだけ小さなものを」と考えて、単純に電流量だけを計算して、250Aを付けてしまうパターンです。「太陽光発電がフルに性能を発揮するのは、ごくわずかな時間に過ぎない」と、高をくくっているのかもしれません。

正しくは300Aを使うべきです。その理由は、『温度が上がると、ブレーカーは早めにトリップ(遮断)する』からです。
太陽光発電システムがフルに性能を発揮するのは日射が良い時で、ブレーカーもメーカー基準(40℃)よりも温度が上がる可能性が高くなります。温度が上がるということは、早めにトリップする、つまり「ブレーカー容量が小さくなる」のと同じことなのです。

最大限に発電するタイミングで、主幹ブレーカーがトリップ(遮断)してしまうようでは、設計ミスと言わざるを得ないでしょう。

また、今後、「後載せで過積載にしたが、主幹ブレーカーは取り換えず、過電流でトリップ(遮断)が多発」というトラブルが増加しそうです。後から過積載にすることが流行っているので、十分に注意したいところです。

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