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太陽光発電O&Mブログ

太陽光発電O&Mのメリット・デメリット 13

太陽光発電所のO&Mを考える上で、メリット・デメリットを考察します。

結構多いパワコン故障はストレートに売電金額を下落させます。損失額はパネル故障よりもずっと大きな金額になります。

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O&Mのメリットのひとつ、

太陽光発電所の売電利益の損失を最小限にできる

という点を説明します。

売電利益の損失を招く主な要因は以下。

A. 系統側理由による売電停止
B. 草木による影
C. 太陽光パネルの汚れ
D. パネルの故障・経年劣化
E. パワコンの故障・経年劣化
F. 積雪による発電低下

A. については、こちらこちらのブログをご覧ください。
B. については、こちら。C. についてはこちら、D.についてはこちらをどうぞ。

今回はE.について。
(F.積雪は昨日のブログを参照)

E.のパワコン故障は、太陽光発電所のトラブルの中では頻度が高い事象です。

初期不良で同形式のものがあちこちで故障することがありますが、メーカーがリコールしないことも少なくありません。

この場合、「同形式のものがあちこちで故障している」という情報を知っていればメーカーと交渉できますが、知らないと「原因不明の故障、有料での修理」になってしまうことも。
複数の発電所を管理しているO&M業者には情報が集まりますので、上手に活用すると良いでしょう。

初期不良以外にも、落雷が原因の故障も多く見られます。エリアによってだいぶ差があり、年に2、3回 落雷でパワコンが故障する発電所も中にはあります。

落雷と言っても直撃することは稀で、近隣に落ちた雷が地面を伝わって発電所に入り込む誘導雷が悪さをします。基盤の一部だけが故障して、特定ストリングのみ売電に寄与しない場合などは、遠隔監視システムで把握しておかないと、「なんとなく売電金額が少ないなぁ」と不満に思うけど結局は何もできず損失の垂れ流しになりがちです。

落雷原因で焦げたパワコンの基盤

落雷原因で焦げたパワコンの基盤

またパワコンを分散設置(小型のパワコンを複数台使う設計思想、今はこの設計が主流)している発電所ですと、そのうちの1台や2台止まっていても、売電金額しか見ていなければ気づくことはできません

分かりやすくするため低圧発電所(9.9kWパワコン×5台=49.5kW)の例で言いますと、1台のパワコンが止まるとおよそ年間35万円(下記式参照)の損失となります。

9.9kW×1100(年間の発電係数)×32円(売電単価)=348,480円/年
(売電単価がもっと安くても過積載で発電量を稼いでいるので、この式の結果に近くなります。)

50kWの発電所で5台しかなければ1台の比率が高くなるのでまだ気付きやすいのですが、500kWの発電所で9.9kWパワコンを50台使っているならば、1台や2台止まっていてもまず分からないでしょう。

でも1台故障すれば年間35万円の損、2台故障すれば70万円の損となります。

これって結構大きくないですか?

パワコンの経年劣化については、各メーカーごとに言ってることのバラつきが大きく、まだ見極めできていません。

・「経年劣化の場合、突然、壊れて止まる、ということはない。10年過ぎたあたりから変換効率が徐々に悪化していく。」

という説が主流と思いますが、
中には「うちのパワコンは部品交換しないでも20年使える。」と豪語するメーカーもあります。

太陽光パネルからパワコンに入ってくる直流の電気の量と、交流に変換した出ていく電気の量を比較することで、パワコンの変換効率を確認できますので、O&Mで長期間追っかけてみるしか答えは出ないかもしれません。

2018/2/3 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之

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